理屈が分かれば迷わない、張綱マスター
テントを張るにもタープを張るにも欠かすことができない張綱(ガイロープとも言う)について、ベストな選択と張り方を考えてみました。
市販のものを買うときや、長いロープを自分で切って使うときの参考になればと思います。
ロープを張ったもののペグが抜けやすいなぁ、と思っているときにも役立つ情報を解説しようと思います。ペグを刺す方向も重要ですが、それだけではありません。
最強のペグは下の写真のように、車のホイールなのですがね(笑)
記事の内容は4つです!
①張綱の張り方(二股張り、一本張り)
②張綱の長さ決め
③張綱の角度決め(ペグの抜けやすさ)
④張綱の結び方(もやい結び、二重8の字結び)
これだけ知っていれば張綱で失敗することはなくなるでしょう。
今回は手書きの画が多いので、極めたい方は画像保存して拡大して頂ければと思います。

始めに結論を言ってしまうと、
一本張りの場合:張綱の長さはポールの1.5~2倍にして、角度は45度で張るべし。
二股張りの場合:張綱の長さはポールの3~4倍にして、二股角60~90度で、張綱角度は30~45度で張るべし。
理由をこれから説明していきます。
~①張綱の張り方~
基本となる張綱の張り方について、基本的には下の図のような2種類の張り方があります。

タープの両端に立てるポールなどには安定させるために「二股張」がおすすめです。
引張力の分散や横風に対する安定性が良く、メインとなるポールに適用されることが多いです。
タープの代わりにロープを張ると、物干しにもなりますね。
130cmくらいのポールだと使いやすいかもしれません。ロープの結び方は④で紹介します。

~②張綱の長さ決め~
次に張綱を買うときや、自分好みの長さに切るときの長さの目安について考えたいと思います。
下の図は、張綱の角度を変えたときの3パターンについて簡単にまとめたものです。ポールと張綱の角度を30度、45度、60度としたとき、張綱の必要長さを計算すると、それぞれポールの長さに対して、1.15倍、1.41倍、2倍の長さが必要になります(結び目の長さは含まない)。

さすがに60度の角度で張ることはないでしょうから、ポール長さの2倍以上に長いロープは選ばなくてOKです。それに2倍以上長い場合、狭いサイトでポールに近い位置にペグを打つしかないときに、ロープが余ってしまう場合があります。そうなるとうまく張れなくなりますから。
ポールの1.5倍の長さがあれば、45度方向に張ることができますから、1.5~2倍の長さを目安とすれば良いでしょう。
また、張綱は一般的に自在金具で全長の半分まで長さ調整できるようになっていますから、融通が利きます。
簡単にポールの高さとロープの長さを表にまとめてみました。
①で説明した二股張の場合は、一本張りの2倍の長さが必要になります。もちろん一本張りを2方向に引張ってもOKです。

150cm~190cmのポールであれば、3mくらいの張綱が便利ですね。結び目のつくり方次第で125cmポールでも問題なく使えます。
私はコールマンのガイロープ3mを2014年に2セット(計8本)買いましたが、耐久性もあるし長さも丁度良いので重宝しています。
コールマンガイロープ ⇒ https://amzn.to/38txVu4
~③張綱の角度決め~
次はペグの抜けやすさに関係する、張綱を引張る角度について考えていきます。簡単な物理の話なので、高校時代が懐かしくなりました(^^) 物理学はこういうことのためにあるのでしょう。
文系の方は下の図の上半分を見て、その下の表を見て頂ければと思います。イメージが伝わればOKです。
タープを例にとると・・・
タープを引張る力①とロープにかかる力②があります。
ペグは②と同じ力で引張られるので、なるべく小さい力(張力)で張れるように角度調整すれば抜けにくくなります。
ただし、この張力②によってポールが地面に押し付けられる力も働くので、風で浮かないようにする場合などはここも併せて考えないといけないです。

図の下半分の式を使って計算!
例えば、タープを5㎏の力で引張らないといけない場合について、引張る角度、ロープの張力、ポールを地面に押し付ける荷重、を表にまとめてみました。

究極は真横に引張ったり、真下に引張ったりすることですが、それは不可能なので省きました(;^ω^)
簡単に言うと、引張る角度を大きくすればするほど、ロープ張力もポール荷重も下がっていくということです。
一本張りの場合、タープを引張る力より小さくすることはできないので、バランスの取れた45度方向がおすすめです。ロープ張力もそこまで上がらず、ポールも動きにくい角度と言えるでしょう。
30度など、角度が小さいときは普段より強めに引張る必要があるでしょう。
では、大きいタープを狭いサイトに張る場合はどうするの?となるのですが、そこは①で見た「二股張」をすれば良いでしょう。
二股張の場合、二股の角度も大事になってきます。

説明を簡単にするため、タープを張る力を同じ5kg、ロープの張力は一本張45度と同じ7.1kgとしたときに、ペグをどのくらいポールに近づけてよいか(引張り角度をどれだけ小さくできるか)を見てみます。
水平成分のつり合いが二股角度で決まりますので、片側角度φとして計算すると下の表のようになります。

二股片側角度45度、つまり2つの張綱を90度離した位置で引張ることで、ポール先端から地面へ45度で引張っていたロープの角度を30度まで小さくすることができます。
言い換えれば、一本張の時に高さ2mポールとペグの距離が2mあったのを、二股90度張では1.15mまで近づけられるようになるということです。
二股の角度を小さくすればもっと近づけられますし、ペグの距離を変えない場合は重たい大きなタープを立てられるようになります。
このようにロープを引張る力(ペグを抜こうとする力)は、張り方、引張る角度で様々に変化させられます。
これ以上の詳細説明は省きますが、まとめると、
一本張では45度方向がおすすめ!
二股張では、二股角度60~90度で、ポール先端から地面へは30~45度で引張るのが良い!
なんとなく感覚的に覚えておけば役立つかと思います。
④張綱の結び方
最後に私が良く使う張綱の結び方2つを紹介したいと思います。
もやい結びと二重8の字結びを紹介しますが、それぞれどういう時に使うかというと、下のように二股部だったり、単純にポールの先端だったり、テント用の張綱で使うのも良いでしょう。

1つ目の「もやい結び」について見ていきましょう。
船舶免許を取るときなんかも習いますが、強く引張ってもほどけないし、かと言ってほどくときは楽なのが特徴。一番使える結び方といっても良いでしょう。
~結ぶ手順~
⇒
まず輪っかを作ります。輪っかの向きを間違えるとうまく結べません。
⇒
ロープが絡まる方向にくねくね通していきます。
⇒
最後に上から輪っかに通して完成です。非常に簡単ですので是非使ってください。
2つ目は「二重8の字結び」です。これは二股にするとき以外あまり使い方が思い浮かばないですが、一度結んでしまうとロープのセンターが決まるので、設営が楽になります。
~結ぶ手順~
⇒
引掛けたい部分を持ってきます。
⇒
8の字にくねくね通して引張れば完成です。

二股張にはこれしかないかな~と思います。
以上、今回は如何にも理系チックな話でしたが、張綱に関するノウハウを解説してみました~。
これだけ知っていれば、長いロープと自在金具を買って、自分専用品を作っても良いかもしれませんね。
検索画面に飛べます
ガイロープ⇒https://amzn.to/3aIKiW8
自在金具⇒https://amzn.to/3hjTVM5
自作しない方は本編で紹介したコールマンのガイロープ3m×4本がおすすめです。
⇒ https://amzn.to/38txVu4
今回はここまで!
今後ともよろしく・・・ね!
市販のものを買うときや、長いロープを自分で切って使うときの参考になればと思います。
ロープを張ったもののペグが抜けやすいなぁ、と思っているときにも役立つ情報を解説しようと思います。ペグを刺す方向も重要ですが、それだけではありません。
最強のペグは下の写真のように、車のホイールなのですがね(笑)
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①張綱の張り方(二股張り、一本張り)
②張綱の長さ決め
③張綱の角度決め(ペグの抜けやすさ)
④張綱の結び方(もやい結び、二重8の字結び)
これだけ知っていれば張綱で失敗することはなくなるでしょう。
今回は手書きの画が多いので、極めたい方は画像保存して拡大して頂ければと思います。

始めに結論を言ってしまうと、
一本張りの場合:張綱の長さはポールの1.5~2倍にして、角度は45度で張るべし。
二股張りの場合:張綱の長さはポールの3~4倍にして、二股角60~90度で、張綱角度は30~45度で張るべし。
理由をこれから説明していきます。
~①張綱の張り方~
基本となる張綱の張り方について、基本的には下の図のような2種類の張り方があります。

タープの両端に立てるポールなどには安定させるために「二股張」がおすすめです。
引張力の分散や横風に対する安定性が良く、メインとなるポールに適用されることが多いです。
タープの代わりにロープを張ると、物干しにもなりますね。
130cmくらいのポールだと使いやすいかもしれません。ロープの結び方は④で紹介します。

~②張綱の長さ決め~
次に張綱を買うときや、自分好みの長さに切るときの長さの目安について考えたいと思います。
下の図は、張綱の角度を変えたときの3パターンについて簡単にまとめたものです。ポールと張綱の角度を30度、45度、60度としたとき、張綱の必要長さを計算すると、それぞれポールの長さに対して、1.15倍、1.41倍、2倍の長さが必要になります(結び目の長さは含まない)。

さすがに60度の角度で張ることはないでしょうから、ポール長さの2倍以上に長いロープは選ばなくてOKです。それに2倍以上長い場合、狭いサイトでポールに近い位置にペグを打つしかないときに、ロープが余ってしまう場合があります。そうなるとうまく張れなくなりますから。
ポールの1.5倍の長さがあれば、45度方向に張ることができますから、1.5~2倍の長さを目安とすれば良いでしょう。
また、張綱は一般的に自在金具で全長の半分まで長さ調整できるようになっていますから、融通が利きます。
簡単にポールの高さとロープの長さを表にまとめてみました。
①で説明した二股張の場合は、一本張りの2倍の長さが必要になります。もちろん一本張りを2方向に引張ってもOKです。

150cm~190cmのポールであれば、3mくらいの張綱が便利ですね。結び目のつくり方次第で125cmポールでも問題なく使えます。
私はコールマンのガイロープ3mを2014年に2セット(計8本)買いましたが、耐久性もあるし長さも丁度良いので重宝しています。
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次はペグの抜けやすさに関係する、張綱を引張る角度について考えていきます。簡単な物理の話なので、高校時代が懐かしくなりました(^^) 物理学はこういうことのためにあるのでしょう。
文系の方は下の図の上半分を見て、その下の表を見て頂ければと思います。イメージが伝わればOKです。
タープを例にとると・・・
タープを引張る力①とロープにかかる力②があります。
ペグは②と同じ力で引張られるので、なるべく小さい力(張力)で張れるように角度調整すれば抜けにくくなります。
ただし、この張力②によってポールが地面に押し付けられる力も働くので、風で浮かないようにする場合などはここも併せて考えないといけないです。

図の下半分の式を使って計算!
例えば、タープを5㎏の力で引張らないといけない場合について、引張る角度、ロープの張力、ポールを地面に押し付ける荷重、を表にまとめてみました。

究極は真横に引張ったり、真下に引張ったりすることですが、それは不可能なので省きました(;^ω^)
簡単に言うと、引張る角度を大きくすればするほど、ロープ張力もポール荷重も下がっていくということです。
一本張りの場合、タープを引張る力より小さくすることはできないので、バランスの取れた45度方向がおすすめです。ロープ張力もそこまで上がらず、ポールも動きにくい角度と言えるでしょう。
30度など、角度が小さいときは普段より強めに引張る必要があるでしょう。
では、大きいタープを狭いサイトに張る場合はどうするの?となるのですが、そこは①で見た「二股張」をすれば良いでしょう。
二股張の場合、二股の角度も大事になってきます。

説明を簡単にするため、タープを張る力を同じ5kg、ロープの張力は一本張45度と同じ7.1kgとしたときに、ペグをどのくらいポールに近づけてよいか(引張り角度をどれだけ小さくできるか)を見てみます。
水平成分のつり合いが二股角度で決まりますので、片側角度φとして計算すると下の表のようになります。

二股片側角度45度、つまり2つの張綱を90度離した位置で引張ることで、ポール先端から地面へ45度で引張っていたロープの角度を30度まで小さくすることができます。
言い換えれば、一本張の時に高さ2mポールとペグの距離が2mあったのを、二股90度張では1.15mまで近づけられるようになるということです。
二股の角度を小さくすればもっと近づけられますし、ペグの距離を変えない場合は重たい大きなタープを立てられるようになります。
このようにロープを引張る力(ペグを抜こうとする力)は、張り方、引張る角度で様々に変化させられます。
これ以上の詳細説明は省きますが、まとめると、
一本張では45度方向がおすすめ!
二股張では、二股角度60~90度で、ポール先端から地面へは30~45度で引張るのが良い!
なんとなく感覚的に覚えておけば役立つかと思います。
④張綱の結び方
最後に私が良く使う張綱の結び方2つを紹介したいと思います。
もやい結びと二重8の字結びを紹介しますが、それぞれどういう時に使うかというと、下のように二股部だったり、単純にポールの先端だったり、テント用の張綱で使うのも良いでしょう。

1つ目の「もやい結び」について見ていきましょう。
船舶免許を取るときなんかも習いますが、強く引張ってもほどけないし、かと言ってほどくときは楽なのが特徴。一番使える結び方といっても良いでしょう。
~結ぶ手順~


まず輪っかを作ります。輪っかの向きを間違えるとうまく結べません。


ロープが絡まる方向にくねくね通していきます。


最後に上から輪っかに通して完成です。非常に簡単ですので是非使ってください。
2つ目は「二重8の字結び」です。これは二股にするとき以外あまり使い方が思い浮かばないですが、一度結んでしまうとロープのセンターが決まるので、設営が楽になります。
~結ぶ手順~


引掛けたい部分を持ってきます。


8の字にくねくね通して引張れば完成です。

二股張にはこれしかないかな~と思います。
以上、今回は如何にも理系チックな話でしたが、張綱に関するノウハウを解説してみました~。
これだけ知っていれば、長いロープと自在金具を買って、自分専用品を作っても良いかもしれませんね。
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自作しない方は本編で紹介したコールマンのガイロープ3m×4本がおすすめです。
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今回はここまで!
今後ともよろしく・・・ね!
この記事へのコメント
こんにちは。すごい緻密な張綱ワークですね!!私はサイトの使える範囲でできるだけ広く使うように意識しているくらいです。勉強させていただきます。
>ヒロスケさん
こんにちは。
ついつい分析してしまうのが理系の性でしょうか(;^ω^)
サブポールなんかだと、タープを張る力の方向が斜め上を向いたりするので浮きやすくなりますが、基本が分かっていれば「張綱の位置を近づければ良い」とすぐに答えを出せます。バタつくようなら張力を保つためにテンションコードを使っても良いかもしれません。
たまに、カテゴリー「お役立ちメモ」をUPしてますので見てやってください(笑)
こんにちは。
ついつい分析してしまうのが理系の性でしょうか(;^ω^)
サブポールなんかだと、タープを張る力の方向が斜め上を向いたりするので浮きやすくなりますが、基本が分かっていれば「張綱の位置を近づければ良い」とすぐに答えを出せます。バタつくようなら張力を保つためにテンションコードを使っても良いかもしれません。
たまに、カテゴリー「お役立ちメモ」をUPしてますので見てやってください(笑)
はじめまして^^
今までアタマとカラダじゃ何となく記されていたように調整していましたが、説明されるとなるほど!と腹に落ちました。間違ってなかったんだなぁ…と。
貴重な分析をありがとうございました。
今までアタマとカラダじゃ何となく記されていたように調整していましたが、説明されるとなるほど!と腹に落ちました。間違ってなかったんだなぁ…と。
貴重な分析をありがとうございました。
>とらめふぁんさん
はじめまして!
実際にはロープを引張りながら感覚的に張りますよね(笑)
私もそうだったんですが、タープのサブポールが浮いたり、テントの張綱用のペグが抜けかけていたことがあって少し分析してみた次第です(^^)
参考にしていただけて良かったです。
はじめまして!
実際にはロープを引張りながら感覚的に張りますよね(笑)
私もそうだったんですが、タープのサブポールが浮いたり、テントの張綱用のペグが抜けかけていたことがあって少し分析してみた次第です(^^)
参考にしていただけて良かったです。